平知盛(「オンライン能『船弁慶』―伝説の英雄、日本文化の波動を東京から世界へ―」より)
日本が誇る伝統文化・芸能を東京より国内外に広く発信することを目的に実施する、
外国人向け伝統文化・芸能 体験・鑑賞プログラム。
今年は新型コロナウイルスが世界的に蔓延し日本の文化に興味を持っている外国人の方々が来日出来ない状況だからこそ、より多くの皆様に直接インターネットを通して日本の伝統芸能を鑑賞頂ける機会を創出します。
ご挨拶
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このたび、私共は公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京主催、東京都助成・協力のもと、新たなる一歩を進めることと致しました。
近年我が国の国土、文化に興味を持ち来訪される諸外国の皆様が増加しておりましたが、それが叶わぬようになってしまった現在、それぞれの国に止まりながら、日本に思いを馳せて下さる皆様に向けて日本の伝統芸能である能楽を映像化して配信するという企画です。その映像は舞台芸術である能楽の新たなるステップへの挑戦となりました。新しい生活様式の中で、新しい舞台芸術のあり方を模索する事となるでしょう。来る安穏の日々へ向けて、小さくとも力強く歩みを進めて参り、文化事業が人々の心の安寧に寄与出来る事を祈りつつ、ご挨拶とさせていただきます。
友枝雄人(公益財団法人十四世六平太記念財団・理事)
主な登場人物
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撮影:大槻聖志
静御前:友枝雄人
(前シテ。若い女性の面を用います。)
義経の愛妾で舞の名手。義経の逃避行に同行していたが、陸路から海路に入る前に弁慶と義経の指示により都に帰ることになる。
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© YAMADA Miyuki
平知盛:友枝雄人
(後シテ。怨霊の面を用います。)
平家の武将。平家と源氏の最後の海戦で、源義経率いる源氏軍に敗れ、海に身を投げて自害する。死後、怨霊となって、船に乗って逃避行中の源義経の一行を殺そうとする。
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© YAMADA Miyuki
武蔵坊弁慶:宝生欣哉
(ワキ)
源義経の家臣で、怪力の僧侶。京都で若かりし頃の源義経と決闘し敗れて以後、義経の忠実な家臣となったという。「船弁慶」では、襲ってくる知盛に、法力で対決する。
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© YAMADA Miyuki
源義経:友枝雄太郎
(ツレ)
源氏の武将。兄・頼朝を助けて、対立する平家を滅ぼした。しかしその後、兄と不和になり、都を追われる。日本の歴史上の人物の中でもっとも人気がある一人。
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© YAMADA Miyuki
船頭:野村萬斎
(アイ)
弁慶の知人で、海路の逃避行を手伝ってくれる。
あらすじ
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ときは平安時代末期。長く続いた源氏と平家の戦は、名将の義経により、源氏が勝利を収めました。ところが功労者である義経は、兄の頼朝と不和になり、都を追われ、家臣の武蔵坊弁慶、愛妾の静御前、そしてわずかな供だけを連れて、西国へ落ち延びていきます。歴史的な合戦を制した華々しさとは打って変わっての、寂しい流浪の旅です。
前半のハイライトは静御前の舞。静御前を都に帰すべきだとの弁慶の進言により、ついに別れを決意した静御前は、義経の無事と義経が再び世に出る日を願って、謡い舞います。
後半場面、海に出た一行でしたが風雨は激しさを増し、あたりはただならぬ雰囲気に。そして海上に、平家一門の怨霊が現れます。総大将は、最後の合戦で自害した平知盛。怨霊たちは、義経の船を海に沈めるべく、一斉に襲いかかります。弁慶は主を救うべく、法力によって怨霊と対決します。
能「船弁慶」 撮影:石田裕
みどころ
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■ 静御前の悲しみと門出の舞
■ 怨霊となって襲いかかる平知盛と、それに法力で対決する弁慶
■ 迫りくる怨霊たちを振り切ろうとする船頭
メイキング動画
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■ オンライン能『船弁慶』メイキング動画1
ビハインド・ザ・シーン
開催概要
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外国人向け伝統文化・芸能 体験・鑑賞プログラム
オンライン能『船弁慶』-伝説の英雄、日本文化の波動を東京から世界へ
- ■ 配信期間
- 令和3(2021)年1月29日(金)〜3月31日(水)(予定)
- ■ 料金
- 無料
- ■ 演目
- 能「船弁慶 真ノ伝」
- ■ 主催
- 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
- 助成・協力
- 東京都
- 制作
- 公益財団法人十四世六平太記念財団
- 映像
- 株式会社てくてく映像デザイン事務所
- 英語字幕
- サム・ベット (日本文学翻訳家)
※内容は変更になる可能性があります。